今週の食べ歩き⑳

《食べ物語・早見ヌードル》
僕の名前は脂身濃い目、春休みに訪れたラーメン屋で、頬張る姿が粋な女の子と意気投合する。
その帰り道、麺ディペンデンド通信社から出ているラーメン専門誌を買い地下鉄に乗ろうとすると、美しい女性がホームに倒れていた。
急いで駆け寄り介抱を試みたが、意識が戻らないので人工呼吸をすることにした。
すると、みるみる回復したのだが、それと同時に僕にとてつもない空腹感が襲った。
こうして、オスチョット・カケルトオイシイ・ハマルアブラソバードによって、僕は一日一食ラーメンを食べないと生きていけない吸麺鬼にされてしまったのだ。

「そうなんだ、目立たないように気をつけてね、脂身くん。ついこの間、調子に乗って連食していた吸麺鬼が退治されたばかりだから」
「あ、そんなに食べないから、大丈夫だよ。それにしても混んでるね、この店」
と言って、僕は羽餃子をつまむ。
「時間が時間だからよ、厨房は戦場だからひるま」
「そういえば、君ってラーメンマニアには有名なんだってね。去年は千杯食べた子ってもっぱらの噂だよ。毎日食べているの?」
「毎日は食べないわよ、食べたい時だけよ」
そう言って、彼女はまぜそばの鉢にくっついた九条ネギを迷わないように麺に絡めて口にする。

こんな感じで、今週もラーメンを食べる僕の日常が続いている。
①だし麺未蕾→だしそばしお、和え玉
相変わらず来る度に味が違う。
今回しおは良かったが、いつもお目当ての和え玉が美味しくなかったので、もう当分行かないことにした。
②歩く花→味玉つけ麺
開店してすぐの平日11時過ぎなら、さほど混んでいない。丁寧に作っているため、出来上がるまでに時間がかかるから、その点を踏まえて訪れた方がいいだろう。とはいえ、最近よくあるつけ麺で似た味は結構あるので、頻繁に行くことはないだろう。
③民華→ラーメン、五目チャーハン(リポート有り)
④和み→限定まぜそば、煮干し油、鶏ほぐし身マヨネーズ和え
ここの煮干しは、どれもそんなに生臭くないから助かる。限定トッピングも追加したら、随分と具沢山なまぜそばになってしまい、色々混ざって味が何だかよくわからない満腹感だけの一品の様な感じがした。

「あのね、醤油とんこつ味噌」
君が頼む三連食
覚えて味見する~♪
やっと見つけた美味しいそば
だけどどこにいる小泉さん
これじゃひとりぼっち~♪

そういえば最後に見掛けた時に、ラーメン店が乱立するビルの屋上から手を振って、何か言っていたっけ……。
彼女も吸麺鬼ハンターに退治されてしまったのだろうか?

いや、きっと今日も何処かで凛とした佇まいで、麺を啜っているに違いない。

そして、僕が一緒に食べに行こうと誘うと、
「お断りします」
彼女はキメ顔でそう言うかも知れない。