駿河ラーメン食べ歩き 湖西編①宝来軒

JR新居町駅から、徒歩10分くらい。
新居の関所をくぐって右に曲がるとあるのだが、民家に隣接しているので、暖簾がかかっていないと通り過ぎてしまう可能性が大である。

町中華巡りの最後の締めくくりとして、あくまでも番外編な食べ歩きとなるので、これより静岡一帯のラーメン屋を食べ歩くということはないので、あしからず。
食べログも無く、インターネットで検索しても情報量が極めて少なかった頃、豊橋ときわアーケードのユニーの地下にあった中華料理屋のチャーハンが忘れられず、同じ味を求めてあちこち彷徨っていた時があった。

これも違う、あれも違う!とチャーハンの為だけに何百軒回ったことだろう…そんな中で、味は異なるが美味しいと感じたのが三軒程で、 求めていたモノに最も近かったのがこちらの炒飯であった。

ただ自宅からかなり遠いこともあり、行けてもひと月に一度くらいで、次第に足が遠のいてしまい、訪れるのは実に10年ぶりくらいだ。

テーブル四つに椅子は15席で床はコンクリート、店内はとても狭いから、相席は当たり前となる。テレビでは、見たことのない地元の情報番組が流れており、出来上がるまで年季の入った厨房やら、あちこち眺める。

《ラーメン、チャーハン》400円+500円

軽くペロリと食べられる量のラーメンは、昔ながらのしょうゆ味で、ごくごく普通のように見受けられるが、麺に特徴があって茹で具合もなかなかだ。
具材はナルトにメンマとネギ、二枚乗っているチャーシューはやや臭みがあって今一つだが、400円という値段を思えば上出来ではないだろうか…他の中華料理と合わせて食べるのにピッタリだと言えよう。

次にチャーハンだが、随分前に食べたのにも関わらず、舌がしっかり覚えていて、嗚呼この味だ!と心の中で叫んでしまった。
因みに自分が好きだった先に述べた処の炒飯は、ここよりもほんの少し塩味が薄くて、チャーシューの代わりに細かく刻んだハムが使われていた。
ボリュームも結構あるので、大盛りで頼んだらえらいことになっていただろう。

非常にコスパの良い二品をいただいて、お腹はすっかり満足…日を置かずにまた来ることを誓って店を出るのだった。

高齢なお二人で営んでいる為、つい最近閉業した豊橋トンカツの名店『宝来亭』のように、いつ店を畳んでしまうかわからないのが心配なところ…健康に気をつけて、本当にいつまでも続けて欲しい店である。

さあ、今度こそ新しく出来たあそこへ行くぞ!

三河ラーメン食べ歩き、岡崎編43五十六商店

名鉄本宿駅から、信号待ちを含めて徒歩10分くらい。
ファミリーマートの裏側に位置する、少し前にオープンしたばかりのラーメン屋である。
ぽつんと一軒だけある感じなので、仮に臨時休業だったりすると、近場には『得得うどん』か地元の喫茶店があるくらいで無駄足になってしまう。

営業中の札がかかるまで、ファミマで新しいカップ麺はないかと暇を潰し、頃合いを見て店内に入る。
券売機にあるラーメンは「中華そば」か「あごだし中華そば」の二択で、迷わず後者をポチッと押して購入、カウンターに座って待つこと5分くらいで着丼…では、いただきます!

《あごだし中華そば》

魚介の臭みが弱いが味はしっかりとしており、甘味のある万人受けするスープである。
『まるぎん商店』より生臭く無く、いささかあっさりし過ぎな『ふじ美』より庶民的な味といったところか…自分好みなのは確かだ。

麺はスープが絡みやすい平打ちで量は少なめ…ストレートな自家製麺にしたら、食がもっと進むと思った。
口の中で脂身が蕩けていく感覚が心地よいチャーシュー三枚は食べ応えあり。他は海苔一枚にネギと いたってシンプルな具材なため、物足りなさは否めない。
これで味玉があれば、普通盛りでもお腹は満たされるだろうが、スープの旨味が台無しになりかねないから、よしとしよう。

…といったところで、全体的に見ればまあまあの出来ばえではあるけれど、リピートするかと問われれば微妙だ。
この先メニューが増えることがあれば、その時には訪れるやも知れない。

立地的に厳しい場所にあるが、数少ないあごだしラーメンの店として長続きすることを望んでやまない。

さあ、次は同じく新しく出来たあそこだ!

三河ラーメン食べ歩き、豊橋編61栄光

豊鉄バス停岩田団地から、徒歩1分。斜め右手に看板がすぐ見える。通りを次のバス停まで歩けば、『ラーメンくま』があったりする。

団地や付近の住民が常連である此方の中華料理店は、夜営業のみで17時~20時30分迄の短い営業時間なため、足を運ぶのを躊躇っていたが、先日訪れた『泰心』で弾みがついて、間を置かずにやって来ることとなった。

小綺麗な店内で迎えてくれたのは、物腰柔らかでかなり年配のご主人と、人柄の良さそうなオバチャン二人…丁寧な接客に、ほっと一息つきながら席に着く。
ついこの間行った『四川』のような、見るからに底意地の悪い面構えで、人を小馬鹿にした応対をする妖怪ババアに爪の垢を煎じて飲ませてやりたくなる。

メニューをあれこれ眺めていると、単品よりお得感がありそうなセットを見つけたので、手を上げて注文する。

《半チャーハンラーメンセット》

見た目は蒲郡にあった『きくや飯店』の支那蕎麦っぽく、スープの色が濃い。レンゲで掬い口に含んで味を確認すると、どちらかと言えば『マルナカ』の方に近く、あっさりした中に甘味がある。
後々物足り無さを感じたら、コショウをちょいと一振りすればいいや…と考えて、次に麺をいただく。
これが細い縮れ麺だったら、ズルズルと箸が止まらないだろうが、まあこれ以上の贅沢は言うまい。

結構食べがいのあるチャーシューが三枚あったのが有り難く、他にメンマ、ネギ少々と具材はシンプルなれど、セットに有りがちな手抜き感が全くない所に好感が持てるラーメンだった。

そして、同じ盆に乗っている半チャーハンは、普通の中華料理店なら一人前くらいの量で、具が色々とぎっしり詰まった食べ応えのあるモノだったので、ラーメンと合わせていただく事でお腹がかなり満たされた。

加えてセットには煮物の小鉢、杏仁豆腐、飲み物として烏龍茶又はオレンジジュースが付いており、コスパが良いといえよう。

気になるメニューが多々有って、もう1つの名物定食もいただきたいから、近いうちに訪れるのは必至か?
高齢の店主には、健康に気をつけていつまでも続けて欲しいものだ。

…ということで、豊橋町中華巡りを締め括るのに相応しい良い店であった。

この余韻を残して平成の三河ラーメン食べ歩きは終了!次回はGWが明けてから行動する予定である。

三河ラーメン食べ歩き、豊橋編60泰心

市電赤岩口または、運動公園前から徒歩20分くらい。市電沿いもしくは、その先にラーメン屋はいくつもあるけれど、中間地点にあるこちらの店は夜営業のみの中華料理店だ。
恰幅のいい伊賀崎好天の様な店主に、看板ラーメンとおぼしきものと、いつもの如くチャーハンを頼んで、しばらく小綺麗だが何故か床はベトベトしている店内を観察…窓際のテーブル席以外は厨房の様子が見えない為、中華鍋を振るう音を聞き、その腕前がしっかりしているのを確かめる。

台湾ラーメン、炒飯》

先に出来上がったのはチャーハンで、しっとり薄味でチャーシューはやや臭みがあり、全体的にあまりよろしくない。放置してもしっとり感は変わらないから、自分には合わず機械的に口に運ぶだけになってしまった。

台湾ラーメンの方は、お腹がユルくならない程度の辛さで、スープはまずまず…韮、青菜、挽肉、メンマ、モヤシ、スライスしたニンニク等の具材がたっぷり乗っており、完食すれば満腹感を得られるだろう。

とはいえ、どちらの品も結構なお値段なのに味は標準なので、コスパが良いとは言い難く再訪することはないと思う。

てな訳で、残り一軒となった豊橋町中華…最後は満足させてくれるだろうか?
いざ、参る!

三河ラーメン食べ歩き、岡崎編42銀界

名鉄バス停康生町から、徒歩5分くらい。
信号を渡って連尺通をまっすぐ歩いて行くとあるのだが、店の名前は階段の手前に貼り紙で表示してあるだけなので、よほど気をつけないと通りすぎてしまうから、右手の『だるま人形店』を目印にその向かいにあるビルの2階と覚えておくと良い。

さて、西尾にある『麺の樹 ぼだい』がそれなりの成功を収めたので、後進に任せて次なる高みを店長が目指すといった感じのこちらの店の雰囲気は、今のところ二種類しかない麺メニューから、何となく豊橋にある某ラーメン屋に似ていなくもない。

オープンしたばかりだからか、カウンター席は自分が入店した時には既にイッパイで、しばらく待つことになった。
機能的に配置された厨房で手際よく注文を捌いていくので、結構回転率は良いと言え、その点において相変わらず客が少なくても提供が遅い豊橋にある某ラーメン屋には見習って欲しいものだ。

てなことを考えているうちに、空いた席に案内され、この店オリジナルな麺料理の方を頼んでみた。

《筍と鶏油の汁なし》

洒落た器に綺麗に盛られた一品を見て、素材にこだわっているぶん、全体的に量が少なめかなと思った。

まずは混ぜる前に汁を少々掬ってチロリと舐めてみる。バランスのいい鶏油の利いたなかなかの味ではあるが、これだけでは些か物足りないだろう…よって混ぜ混ぜして、以下の具材を一つ一つ吟味していく。

水菜、賽の目に切ってあるチャーシュー、筍、七味唐辛子が振りかけてある温玉、鰹節少々。

チャーシューが思ったほど美味しくないと感じるのは、とても柔らかくて甘味のある筍によるものだと言え、食感の違いを楽しんでお腹の足しにするくらいの役割になってしまっている。
温玉のとろけ具合も今一つで、味変の役割を成さない。
残りの具材も彩りを飾る程度に感じてしまうのは、筍の旨味が突出して、食を進めていることに他ならない。
先程述べた通り、とても柔らかくて単品でいただきたくなるし、アルコールの肴に合いそうで、個人的にこれだけの為にリピートするやも知れない。

麺はまあ普通で特に語ることもなく…といったところで、総合的に見れば上手くまとまった優等生なラーメンであり、あと少しだけ面白味が欲しかったというところか…。

《しょうゆのラーメン全部のせ》

GWの隙間に、夜だけ不定期営業のラーメン屋を令和一杯目として訪れた後、日を置かずにこちらのもう1つの方をいただきにやって来た。

着丼したラーメンは、豊橋方面ではよく見かける創作麺っぽく、スープは和風なので麺と合わせて口にすれば、蕎麦とうどんの中間な感覚で食べている様な気がしなくもない。

しかしながら、全部のせにするとチャーシューが三種あって楽しませてくれたりするところは、なかなかである。
邪魔にならない程度の丁度いい大きさの海苔三枚にメンマが五本くらい、加えて茹で玉子が丸ごと一個と麺の量が少ないぶんを補ってお腹を満たしてくれるのだが、個人的に食感に変化を与える細かく刻んだタマネギの味が後々口に残るのが気になった。

まあ全体のバランスは良く美味しいのは確かで、岡崎にはこの手のラーメンは見当たらないので、地元の人々に広く受け入れられるかが今後の課題となるだろう。
願わくは、店長が抜けたことで西尾の味が落ちないように…そして、新たなメニューが増えた頃にリピートしてみるとしよう!

三河ラーメン食べ歩き、豊橋編59四川

豊鉄バス停牟呂学校前から、徒歩2分くらい。
ピチピチモリモリしよう~麻婆豆腐~食べて昨日を忘れよう~忘れよう~♪
乙姫が夢枕に出てきて、次に行くべき町中華の店を歌って指示してくれたので、2年ぶりくらいにこちら方面へやって来た。

大抵は子供の頃に母親が作ってくれたマーボーが「理研」か「丸美屋」で、最初に味の刷り込みがなされるが、その後自分が本格的な麻婆豆腐を食べたのは、昔東京に数ヶ月住んでいた時に職場の上司に連れて行ってもらった存命中の陳健民が調理した一品で、この味は今でも忘れられない。

料理の鉄人と呼ばれた陳健一や、愛弟子の作った麻婆豆腐をそれから色々試しに食べ歩いてみたけれど、今より舌が敏感だったおりに口にしたそれは何かが違っており、個人的に納得のいく味ではなかった。
そんな思い出を抱きながら、豊橋にも数人いるお弟子さんだった一人が営む店に入る。

顔に年輪の刻まれた妖怪っぽいオバチャン二人に迎えられ、陳麻婆豆腐は案外味に誤魔化しがきくので、普通の麻婆豆腐でランチをラーメンと一緒に注文する。
ところが、融通の利かないオバチャンはランチの最初に振り分けてある番号でしか受け付けない様で、料理名で注文する客には必ず「◯番ね?」と念を押して訊く。

面倒くさい接客に、「私は人間だ、番号で呼ぶな!」と大砲を撃って挽歌を詠みたくなるのを我慢し、厨房に目を向けて出来上がる迄しばし待つ。

《麻婆豆腐ランチ+ラーメン》

思いきり手抜きのラーメンで、いつもの如く色々と評価する気持ちが全く起こらない代物…この店でラーメンを注文するのはやめた方がいいとだけ言っておこう。

さて麻婆豆腐の方は…と、レンゲで掬ってパクリと入れたが、こちらも自分の口に合わない味付けで、やっぱり陳さんのとは若干異なる感じがした。
ただ、通常の中華料理店によく見受けられる挽肉の臭みがないことだけは、食べ進める上で助かった。

美味しかったら夜営業時にも訪れて、他の品も食べてみようと思ったのだが、標準以下だったので、この近辺のラーメン屋を食べに行った際に、臨時休業だった時以外のリピートは無いだろう。

残すところ二軒の町中華巡り…その前に、新しく出来たあそこへワームホールでワープ!

三河ラーメン食べ歩き、豊橋編58慶華楼本店

渥美線芦原駅から、徒歩10分くらい。
あちこちに点在する『慶華楼』の本家本元で、数多ある豊橋の中華料理店の中にあって一番美味しいと同業者からも言われている処である。

昔気質な店主と女将からは、良くも悪くも阿吽の呼吸が感じられ、人によってはその接客が不快に思うこともあるらしく、日頃温厚な知人が過去に激怒して帰り、行かない方がいいよと宣うたのを記憶している。
しかしながら、一度は訪れてみないとわからない訳で、町中華巡りを始めたのを機に入ってみる。

この日は丁度新しいアルバイトの教育中で、ことある毎に注意を受けていた新人君、今どきの優しい指導とは違うので、果たして長続きするだろうか?と余計な心配をする。

毎度の如くランチを頼まぬ天邪鬼、気になっていたお目当てのラーメンを所望する旨を伝えて出来上がりを待っている間、横浜の中華街で修業したという大将の調理捌きを見たかったので、カウンターから少し乗り出して厨房の配置を確かめたり、年季の入った無駄のない動きを観察した。

因みに、揚げ物料理(油淋鶏等)はランチであっても時間が掛かり提供がかなり遅くなるから、急いでいる時は頼まない方がいいだろう。

待つこと10分…丼に並々と乗っている彩り鮮やかな野菜の餡かけが目の前に置かれる。
では、いただきます!

《排骨麺》

まずは野菜をよけて、スープを混ぜていない状態で一口啜る。
ベースになるスープだけならば、さほどの味ではないけれど、どの料理にも応用が効く万能仕様になっているのがわかる。
舌を火傷しないよう数口野菜の旨味を味わった後に、ほんのりカレー風味に揚げた骨付き肉をいただく…肉の質はあまりよろしくなくて、臭みをカレーで消している感じがした。

そしてさらに埋もれている極細縮れ麺をサルベージ、思ったよりも量が多くて、こりゃ完食したらお腹がパンパンになるぞと覚悟を決めて箸を進める。

丼の中の食材を色々な方法で食べていくうちに、野菜や肉にまぶしたカレーの旨味が徐々にスープに溶け込んで美味しくなってきたので、この状態で極細麺とスープのみで味わいたくなり、先に具材を片付けることにした。
もし傍らで見ている人がいれば、変な食べ方に首を傾げるだろうが、とっくにお腹はイッパイになっているのに、どんどん口に入っていく。

外看板には「排骨飯」がこの店の売りとして書かれており、確かに「排骨麺」でいただくと途中で御飯が欲しくなると言えるが、個人的に麺形態で色々楽しめて満足した。

また訪れるとしたら、炒飯と油淋鶏を…それまで今日働いていた新人君はいるだろうか?

膨らんだお腹を擦りつつ、次なる町中華を目指すのだった。